脱毛症の95%は男性ホルモン性脱毛症です。男性の方がずっと脱毛の程度は大きくなりますが、男性ホルモン性脱毛症は男女共に起こる症状です。女性が男性ホルモン性脱毛症になった場合は、頭皮全体に渡って脱毛が起こる汎発性脱毛となります。しかし男性の場合は通常、脱毛は額の生え際の後退から始まり、次に頭頂が薄くなっていきます。
1940年代にジェームズ・ハミルトン博士は、男性ホルモンのアンドロゲンがあるという遺伝子的疾病素質が、男性ホルモン型脱毛症の進行を引き起こす要因であると結論付けました。
しかし、現在は要因となる男性ホルモンがさらに特定され、ジヒドロテストステロン(DHT)が要因であることがわかっています。DHTは、テストステロン酵素を5αレダクターゼ酵素へと転換します。5αレダクターゼは、遺伝的な素地がある人において、男性ホルモン性脱毛症を促します。
興味深いことに、5αレダクターゼが欠乏している人は、男性ホルモン性脱毛症にはなりません。これは、テストステロンからDHTへと体が転換できないからです。男性ホルモン性脱毛症が起こると、特定の場所の大きく活動的な毛嚢は、新たな毛髪成長サイクルのたびに少しずつ縮み、より小さく不活発な毛嚢へと変わり始めます。この減少を引き起こす主要原因が、5αレダクターゼ酵素であると考えられています。5αレダクターゼ酵素の活動のもと、男性ホルモンであるテストステロンは、ジヒドロテストステロン(DHT)になります。DHTによって、新たな成長サイクルごとに、次第に毛幹がより細い毛髪が生えるようになり、ついには毛髪が透明になり、まったく生えなくなります。男性ホルモン性脱毛症の場合、テストステロンの全体量は通常であることもありますが、5αレダクターゼの活動は通常よりも活発で、毛嚢中のDHTの量が結果的に増えます。
男性ホルモン性脱毛症の治療
インハウスファーマシージャパンは、男性ホルモン性脱毛症の治療によく使用される次の製品をお届けいたします:
外用ミノキシジル(次の商品として発売されています):
リゲイン
または
ヘッドウェイ
ミノキシジルは、男性ホルモン性脱毛症の治療に最も広く推奨されている治療法です。
米国では、外用ミノキシジルは『ロゲイン』のいう商標名で発売されており、ニュージーランド、イギリスおよび欧州では『リゲイン』という商標名で発売されています(全く同製品です)。最近、外用ミノキシジルのノーブランド製品が、『ヘッドウェイ』という名前で発売されるようになりました。
プロペシア(フィナステリド)
プロペシアは、メルク社が製造している比較的新しい医薬品です。1日1錠服用する経口薬で、現在は男性の服用しか認められていません。女性や子供はプロペシアを服用できません。プロペシアは4アザステロイド化合物で、男性ホルモンであるテストステロンをDHTに代謝させる酵素、5αレダクターゼの阻害剤です。
プロスカー(フィナステリド)
プロスカーは、1錠にフィナステリドを5 mg含んでいます。
レチンA(トレチノイン)
レチンAは元来はニキビや肌のトラブルの治療に使われていました。しかし研究によって、レチンAは単独あるいはミノキシジルとの併用によって、男性ホルモン性脱毛症や円形脱毛症の人に中程度〜良好な育毛効果が現れることがわかってきました。
スキノレン(アゼライン酸)
アゼライン酸もレチンAのように、ニキビや肌のトラブルの治療により使われています。最近、男性ホルモン性脱毛症の治療に、アゼライン酸を使用すると効果があるのではないかという研究が行われています。
プロスタガード(ノコギリヤシ)
研究では、ノコギリヤシは抗男性ホルモン物質として効果があると示されています。プロスタガードは、プロペシアと同じように作用します。
まず、5αリダクターゼを阻害することで、体内のジヒドロテストステロン(DHT)量を減らします。次に、細胞がDHTを吸収するのに必要な細胞膜の受容体を塞ぎます。
ノコギリヤシと育毛との関係については、今のところ研究はなされていませんが、良性前立腺疾患の治療におけるノコギリヤシの使用に関する研究が行われてきました。良性前立腺疾患も、男性ホルモン性脱毛症のように、DHTの生成によって影響されます。これまで行われたどの研究も、ノコギリヤシは効果的な抗男性ホルモン物質であり、最終的に良性前立腺疾患の治療に効果的であるとしています。この結果から、ノコギリヤシが効果的な抗男性ホルモン物質で良性前立腺疾患治療に使用されるならば、男性ホルモン性脱毛症の治療にも効果があるかもしれないと考えられます。